FIREとは
FIRE(Financial Independence, Retire Early)はアメリカのミレニアル世代を中心に流行しているムーブメントで、定年前に経済的自由と早期リタイアを達成し、あとは精神的に豊かな人生を楽しもうというライフスタイルのことを指します。
誰もが憧れる労働からの解放だね
人間はいろいろ大変やからなぁ
FIREの達成方法については色々なサイトや、ベストセラーのFIRE 最強の早期リタイア術――最速でお金から自由になれる究極メソッドで詳しく書かれていますが、簡単に説明すると、
- 年間支出の25倍にあたる金額を貯め、投資で運用する
- 毎年、投資運用額の4%を口座から引き落とし、生活費に充てる
これが基本となります。
年間の生活費が400万円だという人は、その25倍にあたる1億円をの投資元本を貯めて株式投資などに回します。年3%〜10%程度で運用できるとして、1億円の4%を口座から引き落とすとちょうど400万円になるので、働かなくても生活費は十分にまかなえるという計算です。
なんで4%なん?
金融の世界で有名な「トリニティスタディ」という研究で、適切に運用されている資産の4%にあたる額を毎年引き出しても、元の資産がほとんど減らないという結果が出ているからなんだって
ちなみにもともと英語でfireは「解雇する」という意味を持つ単語なので、会社をクビになる、ということと、自分から辞めるということを比較して少し皮肉っているんですね。
5種類のFIRE
FIRE=早期リタイアということがわかったところで、実はFIREにも色々なタイプがあることをご紹介したいと思います。
日本語で検索しても種類について詳しく解説している記事が少なかったので参考になればと思います。
① FIRE(ふぁいあ)
「FIREとは」で説明したスタンダードなFIRE。年間支出の25倍もの金額を貯めるという第1段階がまずキツイ!と思われる人は多いのではないでしょうか。(私もその一人です…)
リタイア後の生活費を月30万円と考えても年間360万円、それの25倍は9,000万円です。一般的なサラリーマン生活で1億円近くの貯蓄をするとなったら、長期で頑張るか、死ぬほど節約するかのどちらかですが、前者だと早期リタイアになりません。
どのくらい節約すればええのん?
貯蓄率が50%の場合、約12年でFIRE可能みたい。でも給与の半分を貯蓄(&投資)に回すっていうことだから、すごく慎ましい生活をしないといけないけどね。
リタイア後も同じ生活レベルってことやんな?
そのとおり。だから完全なFIREを目指す人の多くは「生活コストが低い」人でもあるみたい。贅沢は要らない、精神的に豊かであればOKっていう考え方。
もちろん、年収を1,000万円、2,000万円、3,000万円と大きく増やすことができれば貯蓄率50%でも比較的余裕のある生活ができて、FIRE後の生活レベルも上げられますが、3,000万円の年収を12年もらい続けることができる人はものすごく限られていますよね。
やはり、本質的には「リタイア後の支出」をある程度ミニマムにすることを考えておくべきでしょう。
② Lean FIRE(りーんふぁいあ)
ミニマリスト向けのFIRE。スタンダードFIREを踏まえたうえで、生活コストを最低限におさえる代わりに、早くFIREを達成する方法。
決まった定義はないようですが、ざっくりと年間支出20,000ドル〜40,000ドル程度を指すようなので、年間300万円程度の暮らしができればいい、という人はLean FIRE狙いで頑張っていくといいかもしれないですね。
もし年間200万円(月16〜17万円)程度の生活コストで済むなら、現役時代に5,000万円の資産を作れば良いことになります。
5,000万円て大金やけどな。カナガンのキャットフード13,888個買えるで。
めっちゃ計算早いね。これね(英国王室エリザベス女王より表彰された最高級キャットフード:CANAGAN)
そう!これめっちゃ好き〜
……
③ Fat FIRE(ふぁっとふぁいあ)
贅沢FIRE。リタイア後も年間1,000万円以上の支出を続けたい人向けのFIREですが、貯める額も相当なものです。年間支出1,000万円を目指すなら2億5,000万円の資産を貯めなければいけません(!)
基本的には現在の年収がかなり高く、そのうえで無駄遣いを徹底的に排除した倹約生活を実践しているような層の人たちだけがたどり着ける領域だと思います。
お金持ちの友だちはみんなお金持ちやろ?他の人がお金いっぱい使ってて自分だけ倹約するって大変ちゃう?
鋭い!そのとおり。だから周りに流されない芯の強さ、鋼の心が必要だろうね。
アメリカでは医者などが多くFat FIREを目指しているらしいです。他の国でもそうかもしれませんが、アメリカでも医者はめちゃくちゃ忙しくてお金を使っている暇がないので、短期集中でバッと稼いでサッとリタイアしたいと思うかもしれないですね。
④ Barista FIRE(ばりすたふぁいあ)
いわゆるセミリタイア。日本では「サイドFIRE」という呼ばれ方をしています。完全リタイアと違って歳をとっても少しは働くので、毎年プラスのキャッシュフローがあります。そのため、投資元本となる資産の額は少なくて済み、その分早くFIREに到達できるというメリットがあります。
夫婦のうち、どちらかだけが仕事を続け、どちらかが先にリタイアするというパターンもありです。
なんでバリスタっていう名前がついとるん?
リタイア後にバリスタ(コーヒーショップの店員さん)としてちょこっとだけ働くというイメージからきてるみたい。
スターバックスなどではパートタイムで働く従業員にも健康保険をつけてくれるらしく、医療費も健康保険料もめちゃくちゃ高いアメリカでは、健康保険目当てにスタバで働き続ける人もいるんだって。
⑤ Coast FIRE(こーすとふぁいあ)
貯蓄期間短縮型FIRE。若年のうちに投資元本を貯めることで、時間を味方につけ、市場の成長パワーに任せて資産を形成するやり方です。元本さえ貯めてしまえば、あとは収入が少なめでもストレスの少ない仕事を選んでゆったり生きることが可能な点が他のFIREとの違いです。
30歳くらいまでに頑張って2,000万円を貯めて投資に回したとします。4%の金利で複利計算すると35年後には7,892万円になるので、4%ルールで毎年315万円を引き出しても、元本はほとんど減らさないまま生活できるということです。
年間315万円てことはだいたい月に26万円くらい使える計算やんな?
そうなるね。だから都心とかでなければそれなりに余裕のある暮らしができそう。複利のパワーってほんとにすごい!
時間を味方につけることができる若年層向けのFIREにはなりますが、とにかく1日でも早く元本を貯めてしまえばその後は楽な生活が待っています。
先ほどの例で言えば、30歳から65歳くらいまではもうお金を貯める必要がないので「生活に必要な最低限のお金が得られるストレスの少ない仕事」をすれば良いことになります。
どれを目指すか
おさらいすると、FIREにはスタンダードなFIREを含め5種類のFIREがあり、まとめると下図のようになります。

それぞれに特徴があり、達成方法も異なります。
- 現役時代、めちゃくちゃ節約して慎ましい生活を送る代わりに早くリタイアする
- リタイア後も余裕のある暮らしをしたいから高収入な仕事を見つけて倹約に励む
- リタイア後も少し働くから、貯める額は少なめで良い
などなど、自分に合ったFIRE達成までの道のりを考えるのも働くモチベーションをあげるのに良いかもしれません。
ちなみにミミさんはどれを目指すん?
私はBarista FIREかな。健康のため、社会的つながりを保つためにも自分が楽しめる仕事だけやりつつ、基本はお金の心配をせず自由を満喫したいな〜
ええやん、めっちゃ応援しとるで!
ありがとう♪
おわりに
今回は、日本でも盛り上がりつつあるFIREについて解説してみました。世の中には様々な生き方があり、必ずFIREはしなければならないわけではありません。
ただ、昭和から平成、令和と時代が変わり、多くの人が「これからの生き方」を模索し実践しているのも事実だと思います。早期リタイアというととても自分には実現できない別次元の話と思いがちですが、現状や目的に合わせて無理のない範囲でFIREを目指すことも可能なんだということがわかってもらえたら嬉しいです。そしてこれをきっかけに、どこを目指し、どう達成していくかを考えるきっかけにしてもらえればと思います。
最後に、今回記事を書くにあたって参考にしたサイトご紹介します。